J・A・シーザー(J.A.Cesar , Julious Arnest Cesar)

略歴

1948(昭和23)年10月6日生まれ、本名寺原孝明。

60年代末期或は70年代最初期に、日本三大フーテン(新宿三大ないし四大フーテンとも)として新宿を中心に活動。後に寺山修司と出会い、演劇実験室◎天井桟敷に入団し音楽と演出を担当する。1983(昭和53)年に寺山が死去したことに伴い、天井桟敷は解散するも、同劇団員を中心として同年に演劇実験室◎万有引力を結成。1997(平成9)年には少女革命ウテナに万有引力で使われた自身の楽曲などを提供、これにより一般にも存在を知られるようになった、と言える。

フーテンについてはフーテンの寅さんを参照のこと。

名前について

J.A.シーザーのようにピリオドで区切るのは誤りで、中黒点で区切るJ・A・シーザーが正しいらしい。

また、J・AはJulius Arnestの略だとするのが正解の様だが、何の略でも無いと本人が言ったとも。

シーザーをシイザーとしたこともあるらしい。

日本三大フーテン或は新宿三大ないし四大フーテン

シーザー、キリスト、ガリバーを三大フーテンとし、彼らにバーバラを加えたのが四大とされているようである。シーザーを含めた人物の簡単な紹介がMasara Tea(『フウゲツ』の人々/『風月堂』芳名録)にあるので参照されたい、また、上位ディレクトリにあたる電脳・風月堂も当時のフーテン文化を知るのに便利。

ソロ楽曲

1972(昭和47)年にすべての人が死んで行く時に(SONA-86120)というEP盤を一枚出している、どうやらこれが彼のソロデビュー盤となるようだ。

このEP盤を現在入手するのは、ほぼ不可能と言ってもさしつかえはないと思う。しかしこれとは別に廃盤ながらアーリーシリーズ オルタナティヴ・フォークコレクション(SRCL-4015)というCDがあり、これには上記二曲とも収録されている。プレミアのせいか定価の倍以上の値段がついていることもあるが、EP盤よりは比較的入手しやすいと言える。

次の年の1973(昭和48)年にはJ・A・シーザーリサイタル/国境巡礼歌(SJX-130)というLP盤を出している。こちらは後にCD(BELLE-95168)として復刻盤が出されていたが、廃盤。2006(平成18)年に紙ジャケCDとして身毒丸(BELLE-061217)と共に再発(BELLE-061216)された。

2008(平成20)年、天井棧敷音楽作品集(FJ16~20)ディスクユニオンより限定発売される、内容は国境巡礼歌に実際に演奏されたもののLP化の際に削られてしまった曲を追加し、それらを当時演奏された曲目通りに並べた国境巡礼歌の完全版J・A・シーザーリサイタルと、今まで未発表だった天井棧敷での楽曲。

天井棧敷及び万有引力での楽曲

天井棧敷での楽曲はいづれも当時LP盤が出され、CDとして復刻されている。LPは入手が難しいものの、復刻盤は数も多く出回っており、LPに比べると入手は容易であろう。とはいえ、いつ廃盤となり入手が難しくなるかわからないので、早めに入手しておいた方が良い。

万有引力での楽曲は、全てが演劇会場のみでの販売となっていた。主な供給媒体はカセットテープであり、一部はCDでも販売されていたとされる。2007(平成19)年のレーベル新設以降はCDで供給されている。

2007(平成19)年に、万有引力はアジアン・クラック・レーベルを新設。その第一弾として1994(平成6)年から2007(平成19)年までの演劇に使用された音源からシーザー自らが選曲した初のベスト盤万有引力 vol.1 1994-2007(BIAC-001-AB)を発売する、初回特典としてサイン入りの同盤と螺旋階段のミニサントラ盤(BIAC-002)があった。2008(平成20)年に郡山美術館で行われた寺山修司劇場美術館1935-2008に併設された万有引力の特別展示用のBGM集釘と螺旋の算術法、あるいはその起源(BIAC-003)が発売。2009(平成21)年にはベスト盤第二弾万有引力 vol.2 1983-1993(BIAC-004)が発売。2010(平成22)年にAsianCrackWebSite開設、公式CD通販開始。

少女革命ウテナでの楽曲

少女革命ウテナというアニメでは万有引力の演劇において使用された楽曲を、万有引力の団員と東京混声合唱団または声優と杉並児童合唱団によって新たに録音したものが使われた。

ウテナ関係のCDは以下の順に発売。

以上、このうちさあ、私とエンゲージして…は所謂ドラマCDで、ラジオドラマ以外の楽曲も収録されているが、シーザーの手によるものは収録されていない、よってウテナファンで無い限りは無理に購入する必要はない。

天使創造すなわち光薔薇卵蘇生録ソフィア 中世よ甦れでは万有引力の団員と東京混声合唱団によって録音された楽曲のみが収録されている。これら以外にもシーザーの楽曲が収録されているが、万有引力の団員によって歌われたものは収録されていない、いづれも声優、東京混声合唱団、杉並児童合唱団その他によるものである。

これらの中でもっとも入手しやすいものは、スタまにシリーズ:少女革命ウテナであろう。これは上記のアルバム群のベスト版とも言える物で、2005(平成17)年に発売され、アニメショップを中心に多く出回っている。

また、2008(平成20)年には少女革命ウテナ コンプリートCD-BOX(KICA-920~8)が発売される。これはウテナ関係のCD9枚を全てリマスターし、かつ、それらに収録された楽曲をアレンジし直したアルバム1枚の全10枚のアルバムを纏めたもの。

関連リンク

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