海島冐險奇譚海底軍艦

方今宇内の列國爭ふて海軍海事の發達に汲々たるは何ぞや、他なし、制海の權を握りて、國家の威b宣揚し、國益を攝iせんと欲せば、宜しく海上の權力を收め、海運の發達を計り、貿易の興隆を勉めざる可らず、而して、此目的を達するの道、國民の海事思想を奨勵するより急なるはなし、頃日、押川氏一書を著し題して海底軍艦と云ふ、其着想奇逸にして、結構また雄偉、閲讀の際、自ら海事思想を養ひ、憂國の精~を鼓舞するに足るものあり、余深く其發刋を喜び、一言を記して、之が序と爲す。

伯爵 吉井幸藏

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